レーザーポインターのスイッチを修理する
コクヨのレーザー・ポインタ「ELA-MGU91」の照射ボタンが動かなくなったので、DIYで修理しました。部品代は不要です。他のボタンの修理も同様に行えます。
作業時間は初回で30~60分といったところです。経緯と作業をまとめましたので、同様の不具合でお困りの方はご参照ください。
(※1 本記事は参考情報の提供を目的とします。結果の保証はできません。作業は自己責任でお願いします)
(※2 Google翻訳で「本記事の英訳→再度日本語訳」を試しました。最終ステップにファイルを添付しています。ご参考まで)
症状と経緯
数年前に買ったレーザー・ポインタの照射ボタンが動かなくなりました。具体的にはクリック感がなくなり、ボタンを押してもレーザーが照射されません。
型番はコクヨの「ELA-MGU91」です。結構高価だった記憶があったので、販売店を通じて修理を依頼ました。数日後に下記連絡があり「修理価格にて新品交換」とのことでした。
- 【ご指摘症状】 レーザーのボタンが機能しない。
- 【診断内容】 本体内部のスイッチ部の板バネが脱落している。 修理価格にて新品交換。別途送料 972円。
- 【修理御見積】28,188円 (内訳:技術料28,188円 送料972円)
メーカー小売希望価格が55,000円なので、半額程度での交換は良心的なのかもしれません。それでも高額なのでwebで少し調べてみたところ、同じ経験をした方の記事を見つけました。
それによると、部品代66円で自分で修理したとのこと。 そこで取り敢えず分解してみました。結果、この記事の方のケースとは違っていましたが(たぶん型番違いかと)、新たに部品を購入することなく修理することができました。
ケースの分解
分解するには、トルクス・ドライバもしくはヘクスローブ・ドライバと呼ばれる少し珍しいネジまわしが必要です(百均ショップのダイソーさんにあるかもしれません:私の近くの店には置いていませんでしたが)。以下、分解の手順をまとめました。
- 電池(単四 x 2本)を取り出す
- 電池ケース中央のトルクスねじ(2箇所)を外す
- 本体側面に「BLACK OUT」と印字されている方を手前にして、本体ケースの表/裏の合わせ線を確認する
- 同側面の合わせ線を下側に辿り、2箇所のトルクスねじ穴の真中付近で、この合わせ線にマイナス型の精密ドライバ(最小)を差し込む
- ケースの表/裏が少し開くので、そこを起点に合わせ線を上側に辿りケースの開きを少しずつ伸ばしていく
- ケースの頭まで開いたら、今度は元に戻って尻部分を開き、さらに逆の側面も開いていく
- 逆側面の「MEDIA PLAYER」の印字のあたりを除いて、ケースの表/裏をほぼ分離できる
- 同印字の下の停止ボタン(■)の下方内側に、フックがあるのでこれを慎重に外す
- 本体ケースを完全に表/裏に分離すると、頭部分の板も外れて、3つの部分が細いワイヤ群で繋がった状態になる
内部の分解
ケースを3パートに分解したら、内部の分解に移ります。
- 表側ケースの頭部分に付いている小さな「+」ネジを外す
- マウス・ユニットが取り外せるので取り外す(ワイヤは抜かない!)
- 表側ケースに基盤を留めているトルクスねじ(3つ目)を外す
- 電池の極の接点スプリングを伸ばさないよう気をつけながら基盤をケースから外す
- レーザー側に繋がるコネクタ(接続ワイヤは太めの赤黒2本)を外す
- 基盤の表裏を反転する
- 動かなくなったボタンに対応するスイッチ部分を確認する
- スイッチを構成する脱落部品を見つけて回収する
上記の手順の内、「1」と「2」は省略可能ですが、取り外しておいた方がその後の作業がやりやすくなると思います。
状況確認(故障原因)
ボタンの動作不良の原因は、ほぼ間違いなく前ステップの「7」の基盤上のスイッチの不良だと思います。このスイッチは「メンブレン・スイッチ」と呼ばれ、コンタクト・レンズ状の「ドーム・スイッチ」と呼ばれる丸い金属片を薄い不導体のカバーで留める構造になっています。
この金属片は動作の耐久回数があり、いずれ割れたり変形したりするようですが、実際はその前にカバーが外れて金属片が脱落して動かなくなるケースが多い気がします(少なくとも私の場合はこのケースでした)。ボタン不良の原因がこのケースならば、金属片とカバーは本体内に落ちているはずなので、回収して再利用できます。
修理
前ステップで見たように、ボタンの動作不良の原因が「ドーム・スイッチ」の脱落であれば、これを回収して再利用できます。
ただ私の場合、最初に修理を依頼したメーカーの方でこれらを回収廃棄したらしく、本体内にこれらの部品はありませんでした。そこで、該当するドーム・スイッチ(丸い金属片)をwebで探したところ、30個セットの商品を見つけました。しかし、該当サイズ(直径3.5mm)の取り扱いはありませんでした。
仕方がないので、基盤に付いている他の5つのスイッチの内、最も利用頻度の少ない(というか多分一度も使ったことがない)「Alt+Tab」ボタンのスイッチの部品を外して、これを照射ボタンに移植することにしました。
このレーザ・ポインタの場合、メンブレン・スイッチは約5mm四方の正方形です。またカバーは黄透明のセロハン小片(正方形)で、その四隅をスイッチのケースに接着することでドーム・スイッチの脱落を防いでいます。ただ、その接着力はかなり弱く(弱くなっている?)、カッターナイフの刃先を少し差し込んだだけで簡単に外れました。
あとはドーム・スイッチを取り外して、照射ボタンのスイッチに移してカバーを付ければ修理完成です。私は取り外したカバーに微量の接着剤(G17)をつまようじで付けて再接着しましたが、面倒な方は、市販のセロハンテープを少し大きめに切って、該当スイッチ部分をワイドにカバーする方法でも大丈夫だと思います。
再組み立てと感想
脱落したスイッチを復元できたら、分解の逆手順で組み立てて行きます。細いワイヤが多数あるので、千切ったり挟みこんだりしないよう気をつければ、特に困難なく作業を完了できると思います。
【感想】
今回動作不良になったのはメーカ-さんの最上位モデルで価格も高価です。ボタンの動作不良はスイッチの部品脱落が原因でしたので、素人でも小一時間で再取り付けして修理可能です。一方メーカー修理となると、このスイッチは基盤と一体化しているので、基盤交換が第一選択肢になる気がします。
今回、メーカーさんからの回答は新品との交換で、費用は新品の約半額というものでした。それでも高額だったので修理キャンセル料を払ってDIYの修理を選択しましたが、ユーザーが企業であればメーカーさんの回答でOKなのかもしれません。モデルの設定が(その価格故に)ビジネス・ユースを想定していると思われる場合、コンシュマ・ユーザーは、まずDIYの検討が必要かなと思った次第です。
【おまけ】
ChromeのGoogle翻訳で「本記事の英訳→再度日本語訳」を試しました。結果のファイルを下に添付します。2018年2月時点の無料機械翻訳の能力を見ることができます。(個人的には「用心して読めば実用レベルに近い」ように思いますがどうでしょうか)